炊き込みご飯の味で差別化してヒット商品に育てた惣菜メーカー

※この事例は顧客情報への配慮から、一部のディテイルを変更して紹介しています。

イントロダクション

粗利の取れる商品を作ること。人口減少社会を迎えた日本においては、企業が生き残るためのカギと言えます。粗利を1ポイント改善することのインパクトは経営者の方であればご存じでしょう。一定の規模の企業体であれば粗利の1ポイント改善によって、経常利益が2倍になることも珍しくありません。この事例はある意味、全業種の企業に当てはまる課題に取り組んだ会社の話です。

お悩み ―利益率低下の中で

このメーカーも価格競争に悩まされていました。惣菜を幅広くラインナップする食品メーカーでしたが、売上は横ばい、そして年々利益率の低下という大きな課題を抱えていました。付加価値のある、他所にはまねのできない商品を作ること。品質に納得頂き、高い価格帯で販売できる商品を求めていました。

きっかけ ―ある日のニュース番組

新商品開発担当者は米飯に目をつけます。例えばCVSでは米飯は主力商品です。しかし、メーカー各社とも工夫を凝らしており、なかなか差別化の切り口は見つかりません。そんな時に「だし」に関する話をニュースで目にします。ニュース自体は鰹だしの健康面に関する貢献についての内容でしたが、ヒントを得た気がしました。

 

解決策 ―商品に合わせた調味液

だしの旨みや香りを特徴にした炊き込みご飯。惣菜メーカーの開発担当者は試作を開始します。節辰商店は要望や作りたい商品、使う具材に合わせた調味液を数種類提案。結果、2つの種類の炊き込みご飯を商品化することができました。

 

その後 ―経営改善イコール商品開発、ということ

この惣菜メーカーは2種類の炊き込みご飯を戦略商品として売り込みをかけました。注意深く商品の価値を理解していただける、販売力のあるチャネルを中心に販売を進めていきました。この商品は会社全体の売上に占める構成比は低いものの、利益の貢献率は群を抜いて成長しています。