マンネリ気味のお歳暮市場を切り開いたギフト会社。

イントロダクション

ギフト会社にとって、お中元・お歳暮シーズンは年間の売上の多くを獲得するチャンスであり、またここで失敗するとその年の決算は取り返しのつかないくらいのダメージを被ります。また、お歳暮という習慣自体が若い人たちには理解ができないという環境変化もあります。この会社は、ターゲットのセグメントを絞り、その方々が何を欲しているかを徹底的に考えました。

お悩みごと ―競争環境の変化と収益の悪化

食品を中心に扱うそのギフト会社はインターネット通販への参入が早かったことが功を奏し、市場が横ばいの中でも安定した成長を続けていました。しかし、通販への新規参入業者が増えたことにより、その成長に陰りが見え始めます。もともと単価の低い商品を扱ってきたこと、広告費の高騰によりCPO(顧客獲得単価)と収益のバランスが崩れ始めたのです。

 

きっかけ ―高単価商品開発

この会社はお中元・お歳暮用の高単価商品の開発に着手します。お中元・お歳暮という習慣を守り続ける方は比較的高年齢層の方が多いことを考え、商品を組み立てます。しかし、これまでの商品ラインナップを組み合わせてもマンネリ感がありました。自社の食品のラインナップと相性が良く、嗜好性が高いゆえに付加価値が取れる商品が必要でした。

 

解決策 ―ようは相性の問題

結論は「だし」でした。この会社は米や麵などのラインナップが多く、だしとセットで販売することが理にかなっていることは、よくよく考えれば当たり前のことでした。もともとファンが着いている商品に合うだしを組み合わせ、包材等を工夫することで「高く売れる商品」に仕立てることができました。

 

その後 ―副産物としての平常月の売上増

新商品を開発したことにより、無事にお中元・お歳暮商戦は対前年増を達成することができました。そして、不思議なことに平常月の注文も増えました。だしは嗜好性が高いため、この会社の商品をお中元・お歳暮でもらった方が気に入ると、その方々からの直接注文が来るようになったのです。通販の新規顧客の獲得単価が上昇を続ける今、この商品開発はこの会社の収益性向上に大きく貢献することになりました。