「本物の味」を実現した栄養士。『学校給食用だしパック(フィルターパック)無添加』
※この事例は顧客情報への配慮から、一部のディテイルを変更して紹介しています。
イントロダクション
「できれば本物のだしの味を子供たちに学んでほしい」。学校給食には子供たちに文化や健康について学んで頂く「食育」の役割も大きいのです。しかし、調理室が顆粒だしを使ったオペレーションに慣れてしまっていると、だしをひくのは大変な手間に感じるかもしれません。この事例では、顆粒だしを削り節のフィルターパックに切り替えることによって、化学調味料・保存料無添加のだしを給食で提供することに成功した学校のお話です。
お悩み ―誰も現状に不安は感じていないらしい
その学校給食センターでは、長らく顆粒だしを使用していました。調理の際使いやすく現場の調理士に好評でした。化学調味料の味に小さな頃から慣れている子供たち多くも給食は「おいしい」と感じているようでした。コストも安い。ただ、献立を考える栄養士はちょっと思うところがありました。本物のだしの味を知らずに子供たちが育っていった時、この国の食文化はどのような形になるのか、と。しかし、今から削り節でだしを取るのは現場のオペレーションを考えると、難しそうです。
きっかけ ―大きなだしパック
その栄養士の方は家庭でだしパックを使っていました。化学調味料・保存料無添加のタイプです。ある晩、気づきます。「大きいだしパック作ればいいんじゃない?」。当たり前と言えば当たり前の話でした。
解決策 ―寸胴鍋に合わせて。無添加で。アレルゲンを抜いて。
節辰商店はそのセンターで使用していた寸胴鍋に応じたサイズのだしパックを製作しました。栄養士と相談の上、アレルゲンとなるさば等は抜いたものを作りました。調理士とともに検証を行いましたが、だしを抽出するために何分か時間がかかるだけで、現場の負担はほとんど変わりませんでした。
その後 ―だしは日本食そのものだから
味の変化に気づいている子供たちも、気づいていない子供たちもいます。しかし、塩分が少なくなったにもかかわらず、だしのうま味がしっかり出ているため、健康面では大きなメリットを提供できていることは間違いなさそうです。さらに進んで、本物のだしの味に親しみ、将来にわたって日本食の文化を正しく継承する人々が育てば良いなと思っています。