おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えて見ましょう

 

※このページは節辰商店が昭和62年に作成した小冊子「おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えてみましょう」から転載しています。

 

目次

全文 | はじめに | だしの種類 | 使用する水の量 | だしの取り方 | 緩衝作用と相乗効果 |だしの使用量 |

蒸発 | 天然調味料と化学調味料の違い附記 きしめん・味噌煮込みの調理法 | 参考文献 |

 

 

はじめに

「おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えて見ましょう」は、節辰商店の第4代当主、故・勝田辰吉がお客様のために作成した小冊子です。

 

この小冊子が刊行された背景に、「科学的アプローチによって顧客の問題解決のお手伝いをさせて頂くことが節辰商店の使命である」という強い意志を感じます。また、当時の経験と勘に頼る業界の風習に対して、別の方向から風穴を開けたかったのだと思います。


25年も前の文章になりますが、現在でも十分通用する内容を含んでいることから、インターネットで公開させて頂くこととしました。以下の勝田辰吉が書き記した思いは思いは現在の節辰商店としても変わりません。実際に毎日だしをご使用の皆様のご意見、ご批判をお待ちいたしております。

===

 

「おいしいダシの取り方を今一度科学的に考えて見ましょう」を出しまして、15年経過いたしました。料理屋加工の方法も変化、発達してまいります。今一度原点に帰って基本的な問題点を勉強しなおすことも重要と思います。

 

今までは昔から伝えられた方法をかたくなに守ったり、勘や経験のみに頼りがちでありましたが、一つの例として人の食塩に対する嗜好が生理的なものに原因しているかもしれないが、わからない。また、塩味がほかの味を引き出す作用も全くその機構が分からなくただ我々が経験に基づいて重宝に利用しているだけで、科学的な根拠はつかめないそうであります(新調理科学講座より)。

 

終局の処、味覚の精度が問題で、その勘を体得できる人に限られる様に思われますが、割り切って考える方が平均的な味が得られるように思います。実際に毎日だしをご使用の皆様のご意見、ご批判をお待ちいたしております。

(S.62.8. 吉日 節辰商店主人 敬白)